登記済証・権利証のこと
 不動産を所有している人で,以前登記を受けて,持っている登記済証とか登記済権利証とかいわれる物は
必要がなくなったのではない


 現在,法務局(登記所)は,コンピュータ化され,また,インタネットで登記申請が行えるようになり,登記が
完了すると登記識別情報というのをもらう。権利を取得した者(例えば買主)は,次回それを処分(例えば売る)
するときに,登記識別情報のコピーしたものを法務局に提出する。


登記識別情報は,数字とアルファベットの混じったパスワ−ードのようなものでだから,なにもコピーで
なくてもいい。インターネットで申請するなら,法務省の申請ソフトを利用して,パスワ−ードのようなものを
送ればいい。

 以前登記を受けて,持っているのが登記済証なら,パスワ−ードのようなものはないから,インターネットで
登記済証を送ることはできない。

 でも,今,半ライン申請というのがあって,申請はインタネットなのに,添付書類を郵送で送ることが可能なので,
以前登記を受けた登記済証は,必要がなくなったのでなく,そのまま現在も生き続けている。
しかし,新たに生まれることはない。


 登記済権利証を,金庫に入れてあったところ,ある家で,金庫ごと盗まれるということがあった。
登記済権利証の表紙には,私の名前と事務所所在地,電話番号などが記載されていた。
盗まれた日の翌日,「登記済権利証が道に落ちていた」という電話が入った。
登記済権利証に書いてある所有者の名前を聞き,警察署に届けるように頼んでおいた。
そのまた次の日,今度は,警察署から盗まれた所有者へ電話があり,登記済権利証は所有者へ戻った。
今までの事件記録から,所有者と私が以前どういう接触があったかがわかった。
間接的に所有者から聞いたところでは,朝方,不審な物音を聞いたらしい。その際に盗まれたらしいとの
ことだった。金銭は入っていなかった。

 不動産は,盗まれることはない。誰も持っていけない。
登記済権利証を盗まれても,それだけで,手続をすることはできない。
かえって所持していると,盗んだということが分かってしまう。
やっかいな物を盗んでしまったのだ。それで,道路に捨てたのだろう。
登記済権利証を盗まれても,心配しなくてもいい。


 現在,登記済権利証を,誰かに渡したとかして,不正の恐れがある場合,
不実登記防止申出の制度がある。これによっても登記簿の内容が変えられることを防ぐことができる。
(古い登記済権利証の表紙)


新しく登記識別情報が提供されるようになってからの表紙



大きく異なった点はなく,BサイズからAサイズになり,登記識別情報の文字が加わっただけ。
権利証ではないが,「登記済権利証」の文字は残している。


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